Citations:ぱくぱく

Japanese citations of ぱくぱく

1916, 夏目漱石, 明暗:

僕は今君の御馳走になって、こうしてぱくぱく食ってる仏蘭西料理も、この間の晩君を御招待申して叱られたあの汚ならしい酒場の酒も、どっちも無差別に旨いくらい味覚の発達しない男なんだ。
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1922, 豊島与志雄, 幻の彼方:

逆様になって、大きな腹を水面に浮べながら、いつまでもぱくぱくやっていた。
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1924, 横光利一, 頭ならびに腹:

彼はその眼前の椿事は物ともせず、恰も窓から覗いた空の雲の塊りに噛みつくやうに、口をぱくぱくやりながら。
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1924, 鈴木三重吉, やどなし犬:

犬は、そのたんびに、ぴょいぴょいと上手にとって、ぱくぱく食べてしまいます。
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1931, 岡本綺堂, 青蛙神:

この頃は高梁の刈入れ時で、どこの家でも眼が廻るほど忙がしいのに、この人は朝から煙草ばかりぱくぱく喫んで、寝そべって……。
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1933, 太宰治, 魚服記:

ただ口をぱくぱくとやって鼻さきの疣をうごめかしただけのことであったのに。
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1933, 牧野信一, 水車小屋の日誌:

何か口をあけて叫んでゐるらしいが、水車の轟々たる音響で一向言葉は通ぜず、こちらも、それに応へるかのやうにぱくぱくと口を動かしたが、実際には言葉は何も発してゐなかつた。
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1935, 寺田寅彦, 柿の種:

くるりと回れ右をして、シルクハットを脱いで、またかぶって、左を向いて、眼玉を左右に動かしておいて、さて口をぱくぱくと動かし、それからまたくるりと右へ回って同じ挙動を繰り返すのである。
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1936, 蘭郁二郎, 夢鬼:

フト、下を覗きみると、寝衣姿の葉子と由子が、いつ眼を覚ましたのか、何か口をぱくぱくさせながら手を振って見せていた。
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1939, 海野十三, 火星兵団:

ちょっと聞くと、しんせつのようですが、ほんとうのところは地球の人間や馬、牛などを、自分のところへもっていって、それを家畜として、かずをふやし、そのうえで、ぱくぱくたべてしまうつもりである。
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1943, 新美南吉, 百姓の足、坊さんの足:

と年とつたお母さんは、大きい口をぱくぱくさせながらわめくのでした。
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1946, 海野十三, 四次元漂流:

老浮浪者は、また一つうなずいたが、そのあとで大口をぱくぱく開いて、声なき笑いをしてみせた。
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1948, 海野十三, 三十年後の世界:

月の怪物があんたを見つけたら、これはごちそうさまといって、手足をむしって、ぱくぱくたべてしまうぜ。
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